リスティング広告とは?基礎知識から費用・効果的な運用方法を解説

リスティング広告とは、Webマーケティングにおける手法の1つです。

顕在層に対するアプローチが可能であり、少額の費用から始められるのが主な特徴です。

一方では、その参入障壁の低さから、運用にはかなり力を注がないと成果を得られないという側面もあります。

また、どのような時にリスティング広告を活用すればいいのかよくわからないとお悩みの方もいるでしょう。

この記事ではリスティング広告の基礎知識はもちろん、費用面や効果的な運用方法について解説します。

自社の製品やサービスのマーケティングをお考えの方はぜひご覧ください。

リスティング広告とは?

リスティング広告とは「検索連動型広告」とも呼ばれ、ユーザーが検索したキーワードに合わせて表示される広告を指します。

*スポンサーと記載され、検索の最上位に表示されます

つまり、今まさにユーザーが答えを探している検索行動に基づいて広告が掲載されるため、コンバージョン率が高くなる傾向にあります。

見込みの高い顕在層へのアプローチに非常に有効な手法です。

リスティング広告の仕組み

リスティング広告の仕組みは非常にシンプルです。

【リスティング広告の流れ】
▼広告主による広告の出稿
▼ユーザーが検索エンジンでキーワードを検索
▼オークションが発生
▼検索結果に広告表示

オークションが発生したタイミングで、広告ランクというデータを基に広告の掲載順位が決まります。

広告ランクは「金額」と「広告の品質」の掛け合わせで決まります。

ただ、高い金額を支払えば上位に掲載されるというものではありません。

リスティング広告とオーガニック検索の違い

オーガニック検索とはリスティング広告を除いた通常の検索結果のことを指します。

一番の違いとして、リスティング広告には費用が掛かりますがオーガニック検索には費用が掛かりません。

*スポンサーという記載がなく、リスティング広告の下に表示されます

つまり、オーガニック検索によって上位に表示されるなら、リスティング広告を使わずともユーザーの集客が叶います。

ただ、オーガニック検索で上位表示を行うには様々な対策が必要で時間と労力が掛かります。

なぜなら、自社サイトやランディングページを検索エンジンに理解されやすい仕様にする必要があるからです。

修正を加えたとしてもその結果が検索エンジンに理解されるまでにリードタイムがあり、すぐには反映されないのです。

一方でリスティング広告は費用こそ掛かりますが、修正した内容はすぐに検索エンジン上で反映されます。

リスティング広告の掲載媒体

Google広告とYahoo!広告の2種類がメジャーです。

まずはどのようなサービスを誰に届けたいかを明確にしましょう。

リスティング広告は見込み客へのアプローチとして効果を発揮するので、ターゲットになるユーザーがどちらの媒体を使っているか明確にしておく必要があります。

リスティング広告のメリット

ここからはより具体的なリスティング広告の活用方法について解説します。

使うことでどんな良いことがあるのか整理し、よりイメージを膨らませましょう。

購買意欲の高いユーザーに訴求できる

ユーザーが検索したキーワードに対して表示されるのがリスティング広告です。

つまり、ユーザーが元々興味を持っているモノやコトに対して広告を表示できるのは大きなメリットです。

低予算から広告を出稿できる

クリックしたときに初めて課金される仕組みで、表示されるだけでは課金はされません。

また、リスティング広告を始めるにあたって事前にいくらか費用が掛かるというものではなく、低予算から広告の出稿が可能です。

スピーディに成果につなげられる

リスティング広告配信のためのアカウント開設から広告運用開始までは、スムーズに行けば即日で可能です。

また、検索エンジンのオークション結果によってはその日中に上位に掲載されるなど、スピーディにユーザーの目に触れる機会を作り出せます。

配信内容を柔軟に変更できる

アカウントの管理画面から配信の開始や変更そして配信停止まで対応でき、それらすべてがリアルタイムで反映されます。

余計なリードタイムはないので修正前の内容で数日配信されるといったケースはありません。

効果検証をしながらリアルタイムで改善できる

リアルタイムでリスティング広告の運用状況が把握できます。

日々の運用実績を分析しながら、費用対効果を見直し、キーワードやターゲットの調整が可能です。

リスティング広告のデメリット

リスティング広告にも弱点があります。

リスティング広告のメリットに対してデメリットも理解しておきましょう。

継続的に運用コストがかかる

広告がクリックされる度に発生する費用面のコスト、運用後の経過をみながら改善するという工数面のコストがそれぞれ掛かります。

特に後者は、市場の変化やトレンドを敏感に察知するためにアンテナを高く伸ばしておく必要があります。

競合他社との競争に発展しやすい

検索エンジンにキーワードを入力して検索すると、誰でも他社のリスティング広告を見ることができます。

つまり、他社の内容を参考にして広告内容を変更するという後出しジャンケンのような施策が可能なのです。

随時、内容の修正が可能というリスティング広告のメリットは他社との競争を激しくしてしまう要因にもなるのです。

広告を避けるユーザーがいる

リスティング広告は、良くも悪くも一目で広告だとわかります。

あからさまな宣伝を避けるユーザーは一定数いるのは事実なので、広告というだけで避けられてしまうことがあります。

リスティング広告の費用

リスティング広告の費用はクリック課金制で、広告主が出しているサイトやランディングページにユーザーが訪れたときに初めて発生します。

クリック以外で別途費用が発生することはありません。

クリック課金制で費用が発生する

検索エンジンの上位に広告が表示されるだけでは費用は発生しません。

あくまでユーザーが広告をクリックをしたときに初めて費用が発生する仕組みです。

1クリックあたりの予算を自分で設定することができます。

またこの予算は何度でも修正が可能です。

リスティング費用の相場

一般的には月20〜50万円です。

しかし、まずは相場ありきではなく、

 

  • どのくらいの予算が掛けられそうか
  • どのくらいの売り上げを見込んでいるか

という点から考えましょう。

相場感を知っておくことは重要ですが、何を・どの程度・どういったユーザーに訴求したいのかによって費用は変わります。

リスティング広告の掲載順位の決まり方

キーワードを検索するとこのように順番になって表示されます。

たとえば、画像のようにGoogleで「リスティング広告」と検索してみます。

赤い枠で囲っている「スポンサー」と書かれた記事がリスティング広告です。

検索結果の最上位に掲載されており、一番最初にユーザーの目に入ります。

つまり、今まさにユーザーが答えを探している検索行動に基づいて広告が掲載されるため、知りたい人に、知りたい情報を届けられる広告なのです。

オークションランクで順位が決定する

リスティング広告の掲載順位は「クリック単価×品質スコア」によって決定されるもので、これをオークションランクと呼びます。

つまり「1クリックあたりの単価が高い 且つ 広告の品質が高いもの」から順に掲載されるという仕組みになっています。

リスティング広告の掲載順位を上げる方法

リスティング広告の掲載順位を上げるにはオークションランクを高める、つまり「クリック単価」「品質スコア」の双方を高くする必要があります。

クリック単価については、簡単に設定の金額を変えることで高めることが可能です。

ただ、ここでポイントなのはいずれか1つが高いだけでは、上位の掲載は望めないということです。

クリック単価を高くするためにいくら予算を投下しても、品質スコアが低ければその投資は無駄に終わってしまうのです。

予算さえあればどんな広告でも上位に掲載できるわけではない、という意味ではフェアな仕組みだといえます。

では、品質スコアを高めるにはどうすればいいのでしょうか?

下記の3点をおさえておきましょう。

・推定クリック率
過去の同様のキーワードにおける広告のクリック数や表示回数から算出される値

・ユーザーが検索するキーワードと広告文との関連性
リスティング広告は検索キーワードに基づいて掲載されるので、広告に掲載されている内容とユーザーの検索キーワードの関連性は非常に重要です。

・ランディングページの利便性
ユーザーにとってランディングページがどれだけ利便性高いものであるかを示す指標です。

ユーザーの検索キーワードと広告内容の関連性はもちろん、情報の透明性やランディングページの操作性といった項目も評価されます。

リスティング広告を出稿する手順

リスティング広告の出稿は非常にシンプルで、スムーズに進めば当日中の掲載も可能です。

ただその前に、キーワードの設定、ターゲティング、何を取り扱うのかという全体の構成を今一度確認しましょう。

エクセルやスプレッドシートで整理するのがおすすめです。

広告アカウントの開設

​​構成が終わりましたら、アカウントを開設します。

リスティング広告アカウントには大きく4つの要素があります。

・アカウント
原則1企業に対し1つ付与。支払い情報などの基本設定を管理

・キャンペーン
リスティング広告にかける予算、ターゲットの設定

・広告グループ
取り扱う製品やサービス毎にテーマやキーワードの整理

・広告・キーワード
タイトル、広告文、ランディングページなどへのリンクの記載

<アカウント開設ページ>
Google広告アカウント開設ページ
Yahoo!広告アカウント開設ページ

キャンペーンを作成する

キャンペーンとは広告グループ単位でターゲット設定を行うことを指します。

キャンペーンを作成することは、リスティング広告の掲載順位を決める品質スコアに直結するので、手元の構成を基にしながら慎重に進めましょう。

設定項目としては、

 

  • 予算(日毎)
  • リスティング広告配信のスケジュール
  • ターゲットの設定(配信地域、曜日、時間帯、利用するデバイス)
  • 除外するキーワード

主にこの4点になります。

配信を行ってからでもそれぞれ修正は可能です。

配信をスタートする

配信に向けて広告を作成しましょう。

見出し、説明文、リンク先URLを入力し審査へ進みます。

結果は早ければ10分程度で届きますので、問題がなければ配信をスタートします。

遅くとも1営業日以内に審査は終わるので、スピーディな配信が可能です。

リスティング広告の運用方法

リスティング広告の成否を左右するのは運用です。

配信している内容を分析し、ターゲットや広告文を修正しながら常にPDCAを回していく必要があります。

主な運用方法としては、下記の3つの方法があります。

 

  • 自社で運用する
  • 広告運用自動化ツールを活用する
  • 広告代理店に依頼する

予算や工数と相談しながら検討しましょう。

自社で運用する

自社でリスティング広告を運用すると費用が少額で済むというのはもちろんなのですが、それ以上に大きなメリットがあります。

それは、運用に関するノウハウが得られること・蓄積されていくことです。

次にリスティング広告を活用する際には大きな武器となります。

一方で、成果に結びつかないときに相談できる相手がいない、というのは大きなデメリットです。

改善策をうまく打ち出せず、成果に結びつかないというケースになりかねません。

広告運用自動化ツールを活用する

リスティング広告の運用を自動化するツールがあります。

キーワードの設定や、広告出稿の認定、予算の調整について広告運輸自動化ツールが提案してくれるというイメージです。

また、運用結果について自動でレポートを作成するという機能もあります。

いくら運用改善をしたところでその方向性が間違っていたら元も子もありません。

正確なレポートを手間暇かけずに手にいれる、というのは大変効率的です。

広告代理店に依頼する

別途広告代理店に費用を支払うことにはなりますが、これまで様々な企業を支援してきたノウハウを持つプロに任せられるのはメリットです。

自社の工数を増やすことなく、成果に結びつきやすいという点は非常に魅力的です。

一方で自社にリスティング広告に関するノウハウが蓄積しない、というのはデメリットになります。

まとめ:運用が成否の鍵

リスティング広告は、ユーザーの検索結果に基づいて表示される広告なので、該当するキーワードに興味を持っている層にアプローチができます。

初めから顕在層に絞ってアプローチができるというのは、リスティング広告の大きな強みです。

ただしそれは適切な運用ができていれば、という条件付きです。

リスティング広告は運用を始めた後が最も重要なので、日々の運用レポートを分析しながら、キーワード、広告文、ターゲットを常に見直しましょう。

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