昨今、企業や個人がホームページを持つことは当たり前となっています。
しかし、いざホームページを開設しようと思ったとき、何を掲載するべきか分からない人も多いでしょう。
そこで、ホームページ開設の基本となるコンテンツの意味や種類、構成について解説していきます。
これからホームページを作る人はもちろん、既に作成済みの人も、今一度基本知識をおさらいしましょう。
ホームページのコンテンツとは?
ホームページのコンテンツとは、サイトに掲載されている情報のことを指します。
文字(文章)や画像、動画、音楽(音声)などを含んだひとつひとつのページがコンテンツです。
企業のホームページを覗いてみると、会社概要や採用情報、取扱商品の紹介などたくさんのページがあります。
ホームページ作成の際には、どのコンテンツを掲載するのが効果的なのかしっかりと考えることが重要です。
ホームページコンテンツが重要な理由
ホームページにおけるコンテンツは、重要な役割を担っています。
代表的な理由として下記の3つを紹介します。
- 集客に影響を与えるから
- 顧客育成ができるから
- ユーザーの判断材料となるから
ホームページ作成を検討している方は、コンテンツの重要性をしっかりと把握しておきましょう。
集客に影響を与えるから
ユーザーにとって有益な情報を掲載することで、情報を求めて多くの人が集まりアクセス数が増加します。
有益なコンテンツを発信すると、GoogleやYahoo!などの検索エンジンを経由して、ユーザーがホームページを訪れる機会が増えるためです。
アクセス数が増えることで、自社の商品やサービスを知ってもらうきっかけになります。
したがって、ホームページでコンテンツを発信することで集客に大きな影響を与えられるのです。
顧客育成ができるから
コンテンツを充実させることで、見込み客の育成と既存顧客のファン化が可能となります。
まず、見込み客を育成するために、“認知、興味関心、情報収集、検討、購入“”までの各段階に合わせたコンテンツを作りましょう。
コンテンツを読み進めるうちに、ユーザーの「この商品やサービスが欲しい」という気持ちが高められれば、見込み客を“今すぐ客”へと育成できます。
また、既に顧客であるユーザーにはファンになってもらえるよう、有益なコンテンツを定期的に配信し、継続的に関係を築くことも重要です。
自社や商品・サービスのファンとなってくれたユーザーは購入だけでなく、良い口コミ(評価)をしてくれたり、身近な人へ紹介してくれたりなど、売上アップに大きく貢献します。
見込み客の育成と既存顧客のファン化を並行して行うためには良質なコンテンツが重要です。
コンテンツの充実はもちろん、ユーザーとのコミュニケーションも大切にし、丁寧な対応を心がけましょう。
ユーザーの判断材料となるから
インターネットが普及し情報があふれる今、ユーザーは商品やサービスを選ぶ際に判断材料を集めます。
そしてさまざまな情報を比較し、それぞれの基準で最終的な購入先を決定します。
情報収集のために訪れたホームページの情報が詳細で分かりやすく口コミも良いと、「ここで買ってみようかな」と思ってもらえる可能性がグッと上がります。
ユーザーの悩みや求めているものに応えられる情報をコンテンツとしてしっかりと発信し、ユーザーに役立つ内容であることが重要です。
コンテンツ作成のための3ステップ
実際にコンテンツを作成するための3つのステップを紹介します。
1.ターゲットを設定する
2.ニーズを掘り下げる
3.オリジナルコンテンツを作成する
それぞれの内容を参考に、しっかりとステップを踏んでいきましょう。
1.ターゲットを設定する
質の良いコンテンツと判断できる基準のひとつに、“ユーザーのニーズや悩みに応えているか”というものがあります。
発信するコンテンツをどんな人物に読んでもらいたいのか、どんな人のニーズに応え、悩みを解決したいのか、ターゲット設定を行いましょう。
有効的なのが“ペルソナ”です。
ペルソナとは、年齢や性別、職業や趣味などできるだけ細かく設定した架空の人物像のことです。
実際に商品やサービスを利用すると考えられる人物像を組み立てておくことで、効果的なコンテンツを配信できるのです。
そして、ペルソナの立場になって悩みや価値観などを考えたり、アンケート結果などのデータを用いたりしながら、何に需要があるのか考えることで、良質なコンテンツ作りに役立ちます。
2.ニーズを掘り下げる
アプローチ手法を考えるうえでは、ターゲット層のニーズを掘り下げることが重要です。
ニーズは、“潜在ニーズ”と“顕在ニーズに分けることができます。
潜在ニーズとは、顧客自身は何を欲しているのか自覚しておらず、漠然と何かが欲しいと感じている状態のことです。
一方で、顧客自身が何を欲しているのか自覚している状態のことを顕在ニーズといいます。
潜在ニーズの状態では購買行動を起こしにくいため、何が欲しいのか顕在化させる必要があります。
この意識の顕在化を促すツールとしてホームページが役立ちます。
それぞれのニーズを掘り下げ、購入に至るまでに必要なコンテンツを考えましょう。
3.オリジナルコンテンツを作成する
コンテンツを作成するにあたって競合他社のホームページを参考にするかもしれません。
どのような情報がユーザーに求められているのか調べることは大切です。
しかし、他社と似通ったコンテンツを作成しても、競合に勝つことは難しいでしょう。
また内容が類似しすぎていると、検索エンジンからコピーコンテンツと判断され、ペナルティを受けてしまう可能性もあります。
ユーザーに選んでもらうためには他社にはないオリジナルコンテンツで、“なぜ他よりも良いのか”をしっかりとアピールすることが重要です。
自社の商品やサービスと紐づけたり、オリジナル性や強みを打ち出したコンテンツで差別化を図りましょう。
企業のホームページに掲載したいコンテンツ
今や企業は必ずと言ってよいほど自社のホームページを持っています。
ここで売上アップやビジネスをスムーズに進めるためにホームページに掲載しておきたいコンテンツを紹介していきます。
必須コンテンツ
企業のホームページとして最低でも掲載しておきたいコンテンツは以下の4つです。
- 会社概要
- 事業内容
- 採用情報
- 問い合わせフォーム
それぞれどのような情報を載せるとよいか解説していきます。
会社概要
会社名や住所、電話番号、社長氏名など企業の基本的な情報です。主に下記の項目を記載します。
- 商号や屋号
- 社長(代表取締役)氏名
- 住所
- 電話番号
- メールアドレス
- 設立年月日
- 資本金
- 事業内容
※事業内容によっては掲載が義務化されている項目があります。事前に確認しておきましょう。
会社概要はいわば、企業の自己紹介のような部分です。
信頼を得るために必要事項を記載してください。
事業内容
会社概要では簡単な事業内容を記載し、別ページでより詳しく事業内容を紹介しましょう。
どんなことをしている企業なのか正しく知ってもらうことで、企業に対する信頼度や認知度アップを狙います。
事業を複数行っている場合は全事業を載せておくことで、ビジネスチャンスの獲得につながりやすくなります。
ユーザーが他社と比較検討できるよう可能な限り詳しく説明しましょう。
採用情報
求人を募集している場合は、採用情報も掲載しましょう。
就活・転職サイトやハローワークを通して仕事探しをする人が増えていますが、企業に応募するかどうか決める際には多くの求職者がホームページをチェックします。
企業の魅力をアピールできる重要なコンテンツですので、しっかりと必要な情報を載せましょう。
採用情報として以下の項目を載せるのがおすすめです。
- 募集している業務の内容
- 労働契約期間
- 試用期間(研修)の有無
- 給与額や福利厚生
- 健康保険や社会保険適用に関する情報
- 始業・終業の時刻
- 残業の有無
- 就業時間やシフトの有無、休憩時間
- 就業場所
- 求める人材や必須資格(条件)
問い合わせフォーム
ユーザーからの問い合わせに対応できるよう、必ず窓口を設置しておきましょう。
メールやチャット、入力フォームの設置など、簡単に入力・送信できるようにしておくと、ユーザーもアクションを起こしやすくなります。
ユーザーの意見を取り入れることで、良い商品やサービスの品質向上に役立てられるでしょう。
商品やサービスの紹介コンテンツ
自社で提供している商品やサービスもきちんと紹介し、ユーザーにより詳しく知ってもらうことが大切です。
ただ商品説明を載せているだけでは効果的なアピールとはいえません。
他社との違いや利用したユーザーの口コミなど、実際に利用した人のリアルな意見を載せることで、商品への関心が高まりやすくなります。
口コミや実績
口コミや販売実績はユーザーの購入決定において大きな影響を与える項目のひとつです。
一定の成果が出ているものは、口コミや実績を積極的に掲載しましょう。
また、まだ広く知られていない商品やサービスについては、モニターを募集したり、インフルエンサーを活用してPRする手段もあります。
ただし、嘘や偽りの口コミは絶対に載せないようにしましょう。
良い印象を持ってもらうために嘘の口コミを載せると、ユーザーの不信感につながります。
否定的な意見があった場合もきちんと掲載し、それに対して真摯な対応を見せることで、信頼度をアップできます。
新商品やイベントなどの情報
新商品発表イベントや無料体験会のお知らせなど、ユーザーと交流できる場を設ける際にはアナウンスしましょう。
商品やイベントの紹介だけでなく、イベントの様子をリアルタイムで更新したり、事後レポートを掲載するなどし、継続的になるべく多くの情報を発信しましょう。
細やかな対応はユーザーに好印象を持たれる傾向があります。
企業にとって有利な情報だけを発信するのではなく、ユーザーが楽しめるような、ユーザー目線の発信を心がけましょう。
開発秘話や運営ブログ
商品やサービスの開発秘話はその企業にしかないオリジナルコンテンツです。
開発の背景や完成に至るまでの道のり、意外な活用例などプラスαの情報を発信し、愛着を持ってもらうのが狙いです。
愛着を持ったユーザーはファンになってくれる可能性が高いため、継続的な購入・利用につながります。
また、運営ブログのように日々の出来事を報告するブログを更新するのもおすすめです。
定期的に継続して更新するのはもちろん、読者が次回も読みたいと思えるような内容でなければなりません。
お役立ち記事やここだけのマル秘情報、新しいスタイルの提案など、ブログを読むメリットを作りましょう。
ブログの設置場所については、ホームページへのアクセス数アップと回遊率を上げるために、ホームページ内に設置するのがおすすめです。
差別化を図れるコンテンツ
競合他社との差別化を図るためには、自社の強みやオリジナルコンテンツをしっかりと掲載しましょう。
代表的な3つのコンテンツを紹介します。
- 企業(経営)理念
- 沿革
- 社長や社員(スタッフ)からのメッセージ
それぞれ見ていきましょう。
企業(経営)理念
企業(経営)理念とは、企業の運営方針やビジョンを示すものです。
企業の考えやポリシーに共感・理解できると、支持されやすくなります。
ユーザーからの共感や支持を得られるよう、しっかりとした想いを載せましょう。
沿革
創業が古く歴史ある企業の場合、沿革をコンテンツとして掲載しましょう。
企業が長く続いてきたのは、努力を続け顧客から支持されてきたからです。
これまでどのような流れで企業が成長してきたのか、年表形式で分かりやすく表現しましょう。
社長や社員(スタッフ)からのメッセージ
社長や社員(スタッフ)からのメッセージも、他社にはない自社オリジナルのものです。
どんな想いで日々業務に取り組んでいるのか、目には見えない気持ちの部分を言葉で表現しましょう。
自身のこだわりや信念を熱く語るのもよし、ユーモアたっぷりのメッセージで印象に残すのもありです。
「この人、この会社なら任せられる」とユーザーに信頼してもらえるよう、内容はしっかりと考えましょう。
アイデアの参考に!コンテンツ案一覧
ホームページを充実したものにするためにコンテンツを増やしていくと、ぶつかるのが“ネタ切れ”です。
コンテンツ案には大きく分けて以下の9つのタイプがあります。
- 単発・ニュースタイプ
- HOW TO・知識タイプ
- 連載タイプ
- 追記タイプ
- 事例タイプデータタイプ
- 辞書タイプ
- インタビュータイプ
- 季節タイプ
それぞれのタイプを知っておくとアイデアを考える際にきっと役立つことでしょう。
自社のホームページにはどのコンテンツを載せるのが良いのか、現状どのコンテンツが足りていないのか、ターゲット層にはどのコンテンツが受け入れられるのかなど、定期的に過去のコンテンツを振り返り、今後の方針を見直すことが大切です。
単発・ニュースタイプ
一話読み切りネタや時事ネタと絡めた単発コンテンツです。
トレンドや旬のネタと絡めると瞬間的な注目や人を集められ、SNSでの拡散にも期待できます。
しかし、コンテンツの寿命としては短いため、トレンドが風化すると古い印象を持たれてしまうので、頻繁に更新する必要があります。
HOW TO・知識タイプ
悩みやHOW TO、知識を発信するコンテンツです。知識があると作りやすく、SEOにも強いというメリットがあります。
さらに、普遍的な内容であればコンテンツの寿命も長いため、永続的に集客できる安定的なコンテンツです。
ただ、内容が難しかったり面白みに欠けると拡散にはあまり期待できません。
連載タイプ
1つのテーマを第1話、第2話と複数回に分けて掲載するコンテンツです。初めから話数が決まっているものもあれば決まっていないものもあります。
最初に構成をしっかりと練る必要がありますが、1つのテーマを複数回に分けて掲載するためネタ切れもしにくく、ファンがつきやすいという特徴があります。
追記タイプ
既に掲載しているコンテンツに関連する新しい情報を追記するタイプのものです。
連載タイプほど内容の一貫性に厳しくないため、臨機応変に内容を変えられるメリットがあります。
また“〇〇に関連する記事はこちら!”などと関連コンテンツ同士で回遊率を上げれば、SEOにも良い影響をもたらします。
事例タイプ
お客様の声や導入事例などを紹介するコンテンツです。一定で継続的にお客様を確保できていれば、ネタ切れの心配がありません。
さらに、実際に商品を使った感想や導入イメージを読んで、実際に購入(売上)に繋がるメリットもあります。
そのため、ある程度の費用や時間をかけてこのコンテンツの充実に力を入れるとよいでしょう。
データタイプ
アンケート結果や独自調査の結果を公開するコンテンツです。
実績や根拠の裏付けとなるコンテンツのため、ユーザーの興味をひきやすいというメリットがあります。
しかし、アンケートや調査を実施、結果をまとめ分析するには時間と手間がかかるため、簡単に作れるコンテンツではないことを理解しておきましょう。
辞書タイプ
“専門用語集”や“犬種一覧”など、辞書のような内容のコンテンツです。
ネタが膨大にあるためネタ切れの心配もなく、更新頻度を高めたり一定に保つのに適しています。
しかし、商品やサービスと結びつけるのが難しく売上に直接繋がらないこともあるため、費やす労力のバランスを見極めましょう。
インタビュータイプ
インタビュー形式で内容を構成するコンテンツです。専門家や開発スタッフなどにインタビューし、質問と回答を繰り返します。
会話形式のため読みやすく、ユーザーに理解されやすいメリットがあります。
インタビュータイプはお客様の声や体験者の感想を掲載する際にもおすすめのコンテンツです。
季節タイプ
四季や季節の行事(イベント)に絡めた内容のコンテンツのことです。
比較的ネタを考えやすく、1年後に内容を改修すれば使い回しも可能なため、作成しやすいコンテンツといえるでしょう。
ただ、時事ネタを扱うため季節が過ぎればコンテンツの効力を発揮できなくなり、寿命の短いコンテンツです。
まとめ:ホームページのコンテンツが売上や知名度アップに大きく影響する
ホームページのコンテンツがどれだけ充実しているかが、売上や知名度アップに大きく影響します。
SNSが普及する以前は、ホームページは会社概要や商品を紹介するカタログのような役割を担っていました。
しかし昨今では、お客様から直接反響や意見を受ける環境が整い、競合他社や類似品もより一層増えています。
ユーザーがより見やすく、理解しやすい構成で、興味や面白さを感じる内容のコンテンツを発信することが大切です。
ホームページのコンテンツを作成する際は情報収集を行い、ユーザーに寄り添うことを心がけましょう。
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