企業の業績アップのためにセミナーを開催したいと思っている人は多いのではないでしょうか。
しかし、セミナーを開催したいが正しい方法がわからない、何から取り組めばいいかわからない、と思っている人は少なくないはず。
セミナーは初めてであっても要点を抑えることで準備から開催までスムーズに運営することが可能です。
そこで今回は、セミナーを開催するための具体的な開催手順や準備について解説します。
セミナーとは
セミナーとはドイツ語のゼミナールが語源で、討議も行う講習会のことです。
似たものに講習会や研修会がありますが、セミナーは参加者が自主的に参加し、積極的な人が多いのが特徴です。
自社内のスタッフに向けて行う自社セミナーや、社外の顧客に対して行うセミナーなどさまざまですが、受講後にセミナーに参加して良かったと参加者に思ってもらえるかが成功のポイントです。
セミナーを開催することには、幾つものメリットがあります。
参加者側のメリット
- 新しい知識の獲得
- 職場以外の人脈形成
主催者側のメリット
- 新規顧客の獲得
- 既存顧客への再アプローチ
- 関係各所との関係強化
- セミナー開催による収益獲得
主催者側は、顧客の獲得だけでなく参加者から直接的に収益を得ることができたり、ビジネス上の関係を構築・強化できたりなど様々なメリットがあります。
セミナーを開催する手順
セミナーの開催までにはセミナーの企画・立案、集客、セミナー前の準備、当日の運営など行わなければならないことが沢山あります。しっかりと事前準備を行うことがセミナーの成功につながるのです。
- セミナーを開催する目的の確認
- テーマの設定
- 講師の選定・依頼
- 開催日時の決定
- 内容の準備
- 告知・集客
きちんと手順を踏んで準備を行うようにしましょう。
セミナーを開催する目的の確認
まず最初に、セミナーの参加者側にはどのような課題があるのかや、参加することで何を知ることができるかを明確にしましょう。
参加者の抱えている課題を明確にし、解決の手段として自社商品をアピールするのが好ましいです。
その中でもまず自社について知ってもらうことが重要なポイントです。
既存顧客に対しても自社についてアピールすることで、より理解が深まります。
そのうえで新しいプロジェクトの発表や新商品、新サービスを知ってもらいましょう。
また、新入社員や能力の高い人材をリクルートする目的で行う場合もあります。
また、業務に関するアンケートを実施し、多角的にニーズを探り営業活動へ繋げていくこともセミナー開催の大きな収穫になります。
テーマの設定
セミナーのテーマの設定には5W を意識して準備するようにしましょう。
5Wとは、以下の英単語の頭文字を取った論理的思考のためのフレームワークです。
- who(誰に)
- why(なんのために)
- when(いつ)
- where(どこで)
- what(どんな内容を)
5Wを意識すると相手に内容が伝わりやすいことはもちろん、改善点や新しい発想が生まれやすくなります。
また、セミナーのテーマが正確だとより的確に情報を共有できる参加者を募ることができます。
参加者にとっても、自分にピッタリのセミナーだったと思ってもらうことによって、参加の満足度を上げることができるのでセミナーの解像度をあげることは重要です。
また、セミナーのテーマ設定の際には、具体性がありわかりやすく簡潔なタイトルになるよう心がけましょう。
講師の選定・依頼
自社セミナーでは社員が講師を務めるケースが大半だと思いますが、外部へ講師を依頼する場合は、テーマに沿った経験・実績がある人物を選定しましょう。
講師選定は集客に大きく影響するので、慎重に行うのがポイントです。
外部から講師を探す際には以下のような方法があります。
- 外部の研修会社に依頼して探す
- 書籍、雑誌を通して探す
- 講師の紹介や口コミで探す
- ホームページで探す
- 研修会社のセミナー・パンフレットで探す
講師として活動している方の情報は様々な場所に公開されていますので、網羅的にチェックするとよいでしょう。
開催日時の決定
セミナーの開催時期も重要です。
業界の繁忙期ではない時に開催するなど、セミナー参加者が参加しやすい時期を検討しましょう。
また、競合他社の同時期にセミナーの開催がある場合、参加者を取り合う形になってしまうので注意が必要です。
内容の準備
セミナー当日に落ち着いて運営業務を行うためには、いかに事前準備を綿密に行うかが鍵となります。
セミナー開催の3ヶ月前までには準備をし始めると良いでしょう。
・企画(〜3か月前)
目標や企画概要の設定、予算検討などを行っておきましょう。
・事前準備 (3ヶ月前〜前日)
セミナー開催の3〜2か月前までには講師への出演交渉、会場の選定・予約、集客方法の検討などを行っておきましょう。
また、セミナー開催の1ヶ月前〜前日までにはイベント告知や講師との打ち合わせ、当日の進行計画、スタッフのキャスティング、スライド制作、資料印刷などが必要です。
告知・集客
社外向けのセミナーで既存顧客も対象になる内容であれば、顧客情報を元にセミナーを告知し、申込みを募りましょう。
- 自社HPにセミナー情報を掲載
- メール
- DMの郵送やFAX送信
- 営業担当からの告知・勧誘
上記のような手段がありますが、一方的に告知するだけでなく可能な限り介入してフォローを行うことで申し込み率を上げられます。
また、既存顧客だけでなく新規の参加者を募る場合には下記のようなものもあります。
- セミナーポータルサイトへの掲載
- SNSでの告知
- 検索エンジン広告の利用
- 業界紙への広告
自社SNSを使用すると無料で告知を行うことができます。
広告費用をかけて告知を行うとより幅広い層の人に情報を届けることができるので、必要だと判断した場合は有料の広告を用いると良いでしょう。
オフラインセミナーを開催する際の準備
セミナー開催時には実際に会場をセッティングし対面して行うオフラインセミナーと、パソコンやタブレットなどを介しインターネット環境を用いて行うオンラインセミナーがあります。
まずオフラインセミナーを開催する際には以下のような準備が必要になります。
- 会場をセッティングする
- プレゼン資料や機材を準備する
- 顧客へのフォロー体制を整える
具体的な内容について見ていきましょう。
会場をセッティングする
まずは事前に会議室などの会場を予約しましょう。
会議室の大きさで定員が決まるので、参加者数の概算を出した上で会場の予約をすると良いでしょう。
プレゼン資料や機材を準備する
オフラインセミナーで使用する機材は以下のようなものがあります。
- パソコン
- プロジェクター
- スクリーン
- リモコン/マウス
- マイク
- 延長ケーブル
事前に機材の動作確認を行っておきましょう。
顧客へのフォロー体制を整える
参加者が当日迷ってしまわないように案内板の設置をしたり、必要であれば飲み物の用意などしておくと良いでしょう。
また、自社アピールを兼ねた参加特典を用意しておくと、次につながるチャンスが得られるかもしれません。
オンラインセミナーを開催する際の準備
オンラインセミナーはインターネット環境とPCがあれば視聴可能です。
したがって日本全国のみならず、海外在住者にも配信できます。オンラインセミナーを開催する際には安定したネット環境が不可欠です。
- ネット環境・必要機材の準備を整える
- 使用する配信システムを決定する
- 配信のリハーサルを実施する
オンラインセミナーのタイプは参加者に録画した動画を見てもらう一方向型(オンデマンド配信)と、質疑応答も可能な双方向型(ライブ配信)があります。
セミナーの目的に応じてどちらがいいかを選択しましょう。
ネット環境・必要機材の準備を整える
オンラインセミナーでは配信スペースのみ必要で、定員は原則ありません。
必要な機材は以下のようなものがあります。
- パソコン
- ネット回線
- 配信システム
- ディスプレイ(パワーポイントのスライドショー用)
- 照明
- カメラ
- マイク
- スクリーン(背景用のグリーンスクリーンなど)
使用する配信システムを決定する
新型コロナウイルスの蔓延をきっかけに普及したオンライン上の配信システムは、現在様々なものがあります。
- Zoom
- YouTube Live
- Microsoft teams
- Webex Webiners
こういった配信システムは参加者に対して事前に告知しておき、セミナー当日までに受信可能な状態にしておく必要があるので注意しましょう。
配信のリハーサルを実施する
セミナー当日までにセミナーの進め方や配信ツールの動作確認、講師との接続テストなどを行っておく必要があります。
本番1〜2周間前にはリハーサルを行い、必要な修正を行った上で本番1〜3日前に最終リハーサルを行いましょう。
セミナーをオフラインで実施するメリット
実際に対面して行うオフラインセミナーでのメリットは様々なものがあります。
- 参加者の反応が見える
- 質疑応答が行いやすい
- 資料の配布ができる
- 参加者との交流がしやすく新たな繋がりができやすい
このように参加者との交流がしっかりと行うことができるので、主催者も参加者同士も満足度が高いといえます。
セミナーをオフラインで実施するデメリット
反対に、オフラインで行うからこそのデメリットも存在します。
- 会議室代が必要
- 参加者に会場まで来てもらう必要あり、交通費がかかる
- 定員が決まっている
オフラインでの開催は費用や時間の負担がかかることがデメリットとして挙げられます。
オンラインセミナーのメリット
近年一気に普及したオンラインセミナーにも様々なメリットがあります。
- 場所を問わず開催できる
- 会場に行く必要がないので時間と費用を削減できる
- 参加者のデータ分析ができる
オフラインセミナーのデメリットをカバーしているのがオンラインセミナーです。
オフラインセミナーよりも開催自体のハードルが低いと言えるでしょう。
オンラインセミナーのデメリット
便利であることが認知されたオンラインセミナーですが、デメリットも存在します。
- 資料の配布ができない(あらかじめプリントアウトしてもらう必要あり)
- カメラに向かって話すので、話すこと自体が難しい
- インターネット環境が不安定になることがある
- 参加者の反応が分かりづらい
オンラインセミナーのデメリットとしては、参加者とコミュニケーションが取りづらいことやインターネット環境が不安定になる可能性があるという点が挙げられます。
セミナーの途中で中断してしまわないように、事前の確認はしっかりと行いましょう。
まとめ:セミナーの開催方法を把握して成功させよう
セミナーの開催には入念な準備が必要になりますが、しっかりと準備して開催したセミナーは必ず有益なものになるはず。
オフラインセミナーかオンラインセミナーかに関わらず、しっかり事前準備を行ってセミナーを成功させましょう。
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