マーケティングにはさまざまな手法が存在します。
その手法の豊富さゆえに、どれを選べばいいのかわからないという方もおられるでしょう。
本記事では、マーケティングという言葉の定義と進め方、押さえておくべき主な手法と特徴を解説します。
成果を最大化するためのフレームワークという考え方にも触れますので、マーケティング施策を検討されている方はぜひ参考にしてください。
マーケティングとは?
マーケティングとは「提供する製品やサービスが自然に売れる仕組みをつくること」です。
顧客のニーズを汲み取り、そのニーズを満たす製品やサービスをつくり、適切な方法で訴求するという一連の活動を指します。
重要なのは「自然に売れる仕組みをつくる」ために「顧客のニーズを汲み取る」ことです。
自社が売りたいもの、ではなく顧客がいま欲しいものに沿って製品やサービスをつくり、訴求するためにマーケティングは行われます。
マーケティングを行う目的
マーケティングの目的は「認知度を高め、利益を増加させること」です。
自社及び製品やサービスの存在をアピールし認知度を高めることで「将来的に購入する可能性がある顧客」をつくります。
そして、顧客を購買という行動につなげ、利益をつくることが大きな目的です。
マーケティングの一連の流れ
マーケティングは、自社と競合そして両者を取り巻く環境を調べ、手法を実行し、効果を検証・分析して改善策を実行する、という一連の流れに沿って行われます。
特に「事前準備」と「分析・改善策の実行」を高い精度で行うことは、成果の最大化に直結します。
上記の図では、主なマーケティング手法を8つ挙げていますが、最も適切な手法がどれなのかを決めるのは事前準備です。
誰に・何を・どうやって届けるかによって選ぶ手法を決定します。
また、改善策を実行する際にも、分析から得られた結果を基に、更に精度の高い手法を検討します。
マーケティングにおいて「事前準備」と「分析・改善策の実行」は非常に重要な位置付けです。
セールスとの違いは?
セールスとは、顧客に商品を販売することです。マーケティングはセールスより上位の概念にあたります。
つまりセールスは、マーケティング活動の中に含まれるアクションの1つなのです。
基本的にセールスは目の前の製品やサービスをどのようにして売るかを考え活動します。
一方でマーケティングは、製品やサービスがうまれる前段階の「顧客のニーズを汲み取る」ところから始まっています。
顧客へ届けるという最後のフェーズにおいて、1つの手法としてセールスがあるということです。
事前準備のためのフレームワークSTPとは?
STPとは、さまざまな要因を分析し、どの手法を選択すべきかを検討する際に役立つフレームワークです。
自社の強みを明らかにし、競合他社との違いを明確にします。
この分析を精度高く行うことはマーケティングの成果を高めることに直結するので、しっかり押さえておきましょう。
Sはセグメンテーション
STPのSはセグメンテーション(Segmentation)を表し、市場にいる消費者を特定の属性毎にグルーピングすることを指します。
消費者の多様化した価値観をなるべく正確に捉え、適切なアプローチを行うための事前準備です。
セグメンテーションを行う際の主な軸としては、消費者の年齢・居住地・趣味趣向・時間帯などが挙げられます。
これらを総合的に検証し、細分化された各区分の特徴を明確にします。
Tはターゲティング
STPのTはターゲティング(Targeting)を表し、セグメンテーションで細分化された市場のどこで戦うのかを明確にします。
下記4点を中心に、自社の強みや競合他社との差別化について検証します。
・優先順位(Rank):
自社の強みを生かせるかという、競合との比較で自社の優位性を検証
・規模の有効性(Realistic):
十分な売上・利益の確保が見込める市場規模であるかどうかを検証
・到達可能性(Reach):
自社の製品やサービスを届けられるか・難易度はどの程度かについて、主に費用対効果の面で検証
・測定可能性(Response):
マーケティングを行った際にそれが顧客の購買に繋がったかを把握できるか検証
いずれも英語の頭文字がRなので、4Rと括られることもあります。
誰に・何を・どのように届けるかを考えるターゲティングにおいて役立つフレームワークです。
Pはポジショニング
STPのPはポジショニング(Positioning)を表し、他社との差別化を明確にします。
下記のポジショニングマップというものを使い、競合他社がマッピングされていない場所で戦うことができれば、それは他社との差別化ポイントになります。
価格が高いか・低いかはどんな製品やサービスにも当てはまります。
ただ、上の図の横軸の内容はそれぞれの製品やサービスに応じた検討が必要になります。
(例:サイズが大きい・小さい、カジュアル・フォーマル、など)
自社と似たビジネスを行っている企業をポジショニングマップに配置し、まだどの企業も進出していない領域に踏み込み、差別化を図りましょう。
主なマーケティング手法の一覧
インターネットの発達、SNSの普及によりマーケティング手法は広がり続けています。
マーケティング手法の選択肢が増えた一方でその選択肢の多さに混乱してしまう方もおられるでしょう。
主なマーケティング手法の一覧、それぞれの特徴についてまとめたので参考にしてください。
Webマーケティング
WebマーケティングはユーザーをWebサイトに集客し、製品やサービスの購入につなげるための手法です。
デジタルマーケティングの中に含まれる手法の1つで、Webサイトに特化している点が特徴です。
まずは自社の製品やサービス購入が行えるWebサイトを運営するのが前提になります。
その上で、Webサイトへ呼び込むための施策を実行し、購入してもらうことを目指します。
昨今、すべてのマーケティング活動はWebを介して行われているといっても過言ではありません。
Webマーケティングは必須の手法であるといえます。
インバウンドマーケティング
インバウンドマーケティングとは積極的な売り込みをしない手法です。
対義語としてアウトバウンドマーケティングがあります。
こちらは積極的に消費者に広告を配信するなどしてアプローチを仕掛けます。
一方でインバウンドマーケティングは、消費者が自分で必要な情報に辿り着く際の手助けをします。
まずは消費者に有益な情報を提供し役に立った後で、顧客になってもらうという流れのアプローチです。
インバウンドマーケティングという考え方が生まれた背景には、インターネット普及の影響が強くあります。
従来は企業が発信する広告やセールス担当と話すことで情報を得ていましたが、昨今では消費者が自分で調べられるようになりました。
「これが知りたい」という消費者のニーズに沿った情報を提供することで興味・関心を惹きつけるのでセールスや広告のような押しつけがましさがありません。
インバウンドマーケティングはごく自然なかたちで消費者と接点をもち、自社のイメージアップやファンの獲得につなげられる手法なのです。
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、価値のある情報を配信することで見込み客を醸成し、購買につなげる手法です。
よくインバウンドマーケティングと混同されるのですが、それは「価値ある情報を提供することで見込み客を醸成する」という共通点があるからです。
インバウンドマーケティングは「待ち」もしくは消費者起点であるという特徴があります。
消費者が検索し、自社コンテンツを訪れるのを待つイメージです。
一方でコンテンツマーケティングは自社から積極的に発信を仕掛けていきます。
例えば、オウンドメディア、メルマガ、SNSなどを活用し、見込み客と接点を創出するのです。
自社の製品やサービスを、知ってもらい、興味を持ってもらうという購入までのプロセスにおいて丁寧にコミュニケーションを取りながら進めていく手法になります。
O2Oマーケティング
O2O(Online to Offline)マーケティングとはオンラインで接点を持っている消費者をオフラインのリアル店舗などへ誘導し、購買を促す手法です。
具体的な手順としては、まずWebサイト、ネット広告、SNSなどを用いて譲歩を発信し、見込み客を獲得します。
次にクーポンやセール情報、店頭受け取りサービスなどの案内を送付し実店舗への来店を促します。
WebやSNSが急速に普及しオンラインの存在感が強まる中で、「ショッピングを通じてスタッフや友人とのコミュニケーションを楽しむ」というオフラインならではの体験が見直されています。
メールマーケティング
メールマーケティングとは保有するリストに一斉にメールを送ることで、見込み客に対しアプローチを取る手法です。
名刺交換をした相手や自社サイトの問い合わせ、資料請求をした消費者に対して送付し、継続的につながり続けることで購買意欲を醸成します。
リストさえ手元にあれば手軽に始められる手法ですが、見込み客に対しどのような内容を届けるか設計するのは手間がかかります。
メールマーケティングでは、見込み客の興味を惹くコンテンツをストーリー立てて作れるかが重要です。
SNSマーケティング
SNSマーケティングは、X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSを活用したマーケティング手法です。
双方向のコミュニケーションが可能である点が大きな特徴になります。
言い換えるならば、「個人と企業」という壁を壊し、「個人と個人」のコミュニケーションを成立させられるのです。
*出典:総務省HP「情報通信に関する現状報告の概要」2022年https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r04/html/nf308000.html#d0308130
上記の図より、SNSを利用したことがある或いは活用していると答えた層は約70%にのぼります。
SNSは無視できない巨大な市場になっています。
動画マーケティング
動画マーケティングとは映像コンテンツを用いて視覚に訴えかけ集客や販売を行う手法です。
消費者が得られる情報量が多く、また記憶に残りやすいという特徴を持っています。
主に自社サイトやYouTube上で公開するケースが多く、企業によっては各種説明会の場でも活用されています。
アメリカの調査会社であるForrestr ResearchのJames L. McQuivey博士は2014年に、「1分間の動画で得られる情報量は180万語の文字情報に匹敵する」と発表しました。
*出典:イギリスビデオ制作会社Bold Contentより転載
もう1点、動画の情報量の豊富さを示す内容として「メラビアンの法則」というものがあります。
これは、アメリカの心理学者アルバート・メラビアンによって提唱された法則です。
人が、視覚・聴覚・言語のそれぞれからどの程度の情報を得られるのかという研究を繰り返し、上の図のような結果が導き出されました。
視覚情報だけで50%以上、動画のような視覚+聴覚情報となるとその数値は95%にも及びます。
視覚・聴覚の両方に訴えかける動画マーケティングは高い効果が期待できます。
しかし、動画のクオリティにマーケティングの結果が大きく左右される点には注意が必要です。
インフルエンサーマーケティング
インフルエンサーマーケティングとは、大きな影響力を持つSNSユーザー(インフルエンサー)に自社の製品やブランド、或いは自社そのものを宣伝してもらう手法です。
インフルエンサーは消費者の立場です。
企業からメッセージを発信するよりも、同じ消費者の立場として発信が可能なインフルエンサーのメッセージはよりストレートに消費者に届きます。
また多くのSNSユーザーは、自身が関心を持つ投稿を行うインフルエンサーをフォローしています。
つまり、似た志向を持つSNSユーザーへの発信が叶います。
一方でインフルエンサーの選定は簡単ではありません。
SNSには常にさまざまな炎上リスクが存在するからです。
宣伝方法・内容、フォロワーとの関係性、過去の投稿内容、どれか1つが批判に晒されると元々の影響力も相まってたちまち炎上します。
そうなってしまうと企業やブランドのイメージを大きく下げる結果になりかねません。
マーケティング分析の主なフレームワーク
マーケティングを行う中で、結果を分析し改善するというのは必要不可欠な作業です。
効果検証をし、次の施策を考える際に役立つフレームワークを一覧で紹介します。
3C分析
3C分析とはマーケティング環境を分析するためのフレームワークです。
3Cとは「Customer(市場・顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」のそれぞれの頭文字をとったものになります。
外的要因である「市場・顧客」と「競合」を分析し、その後に「自社」を分析することで市場におけるポジショニングを明確にします。
主に上の図のような視点で分析を行います。
市場・顧客を知り、競合を知ることで、自社の製品やサービスそのものを見直すきっかけがうまれることもあります。
PEST分析
PEST分析はマクロ環境分析を行うためのフレームワークです。
PESTとは「Politics(政治)」「Economy(経済)」「Society(社会)」「Technology(技術)」のそれぞれの頭文字を取ったものです。
ビジネスは常に世界情勢の変化により大きな影響を受けます。
自社に影響を与えるであろう脅威と機会を明確にし、戦略を見直す際にPEST分析は用いられます。
上の図を参考に、自社にとって有利に働く情報は「機会」に、不利に働くであろう情報は「脅威」として分類します。
そして、緊急性が高いか・低いか、長期で考えるべきか・短期で考えるべきかという基準で、「機会」と「脅威」をそれぞれ具体的な施策へ落とし込みます。
PEST分析を使うことで自社を取り巻く環境を知ることができるのです。
マーケティングに限らず、ビジネスは環境要因に左右されるので、いま自社はどんな環境の中にいるのかを知ることは非常に重要です。
5フォース分析
5フォース分析とはビジネスの状況を5つの競争要因から正確に把握するためのフレームワークです。
5つの競争要因は下記の通りです。
・競合の脅威
競合他社の数、各社の売上、製品・サービスの強みを分析
・新規参入の脅威
新規参入の際のハードルの高さ、先行優位性などを分析
・代替品の脅威
自社のビジネスとは異なるが、価値やターゲットユーザーが近い製品やサービスを分析
・売り手の交渉力
リスク低減のために、仕入れ先企業の仕入れ値や取引可能な社数を分析
・買い手の交渉力
値下げをせず自社の製品やサービスを提供するために、自社の顧客を分析
自社のビジネス上のリスクや強みを、主観ではなく俯瞰で明らかにし、撤退するべきか否かという判断の際に役立ちます。
分析を進めていく中で改善のきっかけを掴めないのであれば、撤退の判断が必要です。
SWOT分析
SWOT分析は事業の現状を分析するためのフレームワークです。
SWOTとは「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」「Opportunity(機会)」「Threat(脅威)」のそれぞれの頭文字を取ったものです。
上の図のように内部環境と外部環境、それぞれの面からポジティブな内容とネガティブな内容を洗い出します。
「いま自社はどこにいるのか?」を明確にし、今後どこへ進むべきなのかという方向性を決めるために活用できるフレームワークです。
VRIO分析
VRIO分析は自社の経営資源において強みと弱みを把握するためのフレームワークです。
VRIOとは「Value(価値)」「Rareness(希少性)」「Imitability(模倣可能性)」「Organization(組織)」のそれぞれの頭文字を取ったものです。
それぞれの評価内容は上記の図の通りです。
この4つの項目の中で、自社の競争優位性はどこにあるのかを明確にし、これまでのマーケティング戦略を見直します。
弱みを補強する指標として活用するのも効果的です。
まとめ:効果検証をしながら改善し続けることが成功への近道
マーケティングは効果検証・改善を繰り返しながら徐々に成果を高めていくアプローチが重要です。
どれだけ事前準備を行って実行した施策であっても、いきなり成果を得られることはまずありません。
どこがボトルネックなのか、フレームワークを参考にしながら分析し、1つひとつの手法を丁寧に見直して成果を最大化しましょう。
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